戦後60年余りが過ぎ、我々の暮らしは大きく変わってきました。インフラ整備が進み、技術革新があり、暮らし方自体も刻々と変化してきました。今まででは考えられなかった様な形態の仕事が誕生し、テレビゲームに代表されるような子供の遊び方の変化、携帯電話やメールなどの通信手段が進化して、使い方次第では非常に便利で快適な社会になってきたと言えるでしょう。しかし、人の心はどうでしょうか?日本人が古来から持っていた他人を思いやる心などの精神は、経済至上主義を追求するあまり忘却の彼方に追いやられ、個人主義が進み権利の主張ばかりが目立つ、個と公の調和(バランス)がギクシャクする社会となってしまいました。
私達、JAYCEEは「明るい豊かな社会の実現」を理想として掲げ、日々それぞれの地域でJC運動に邁進しています。しかしその運動は決して完成されたものではありません。刻々と変わる時代に即した運動のやり方があっていい筈です。むしろ社会の進歩や、調和(バランス)が崩れかけている状況にあわせて、運動のやり方を変えて発展していかなければならないと考えます。今後の社会の変化を捉えつつ、時代に即したJC運動に取り組んでまいります。
「JCしかない時代」から「JCもある時代」といわれるようになりました。時代の移り変わりと共に求められるものが変わってきて、様々な団体が活動することで選択肢が増えてきました。それは市民運動の側面から捉えれば、活性化されている状態であると考えます。しかしJCは他の団体とは決定的に違うものを持って運動を展開しております。それは単年度制であり、年齢制限制です。また、横の連携として日本全国に4万人余りのメンバーが在籍し共に同じ目的を持って運動している点です。今後、地域間での競争が顕著となり、格差が生じてくるでしょう。そんな時こそ、魅力あるまちであり続ける為に、地域で活躍する青年会議所だからこそ、市民の先駆けとなって行動し、地域において必要とされる存在でありたいと考えます。
各々の地域で活躍しているJAYCEEですが、全国的に見ると15年前をピークに会員数が毎年減少しており、町田も例外ではありません。JC運動の中でお互いに切磋琢磨できる仲間の数の減少が、我々の運動に与える影響は計り知れません。職種も役職も違う、JC以外では絶対に出会えない様な仲間との話し合いの中で、より公益性の高い運動、時代に即した運動の発想が生まれてくるのです。また、年齢制限制があるからこそ毎年変わる組織の中で、一年一年を集中して頑張れるのです。従って、会員の拡大についてはJCメンバーが当事者意識を持ち、自らが率先して行なう事が大切です。本年は会員拡大に関する委員会のほかに、拡大連絡会議を併設し、全てのメンバーが情報を共有し合えるようなシステムの構築を行ない、全員で拡大が出来るように致します。誰の為に会員拡大を行なうのか考えてください。先ずは新しき仲間となる新入会員の為に、地域において更に良い運動を行なう為に、そして最後に我々町田JCメンバー一人一人の為です。今こそ当事者意識を持って会員の拡大に取り組みましょう。
統一地方選挙が行なわれた昨年は、選挙期間中のチラシなどによるマニフェスト配布の解禁や、マニフェスト型公開討論会が各地で行なわれた事により、市民の選挙に対する取り組み方がいっそう明確になりました。これらはJCが率先して市民の政治への積極的な参画を目的に行なった結果であり、政治への無関心からの脱却の一歩になったと考えます。今後の課題としては、マニフェストが如何に政策に反映されているか検証大会を行ない、次の選挙前までに現在の問題点や、改善点を市民の側からあげてもらい、より良い政策への反映を目指します。それが市政であれば市民にとって一番身近な問題であり、直ぐに生活に反映されるからです。JCとしても検証大会の開催などを通じて積極的にコミットメント致します。
また、次代を担う子供の教育において「道徳」の部分はこれから更に重要になってくると考えます。「道徳」とは生きる規範であり、生きて行く中での善悪を判断する力です。誰しも自分一人で生きている訳ではありません。お互い様の精神で支え合いながら社会が構築されています。「教育は人なり」と言う言葉がありますが、良い教育者に出会う事で人間性に関しても良い影響がある事を示しています。しかしこれは教育者にのみいえる事でもありません。子供は地域で育てるという言葉にもあるように、地域の大人が行動規範を様々な場面で子供に見せて接していかなければなりません。JAYCEEとして事業の中で、日頃の生活の中で大人としての意識をしっかりと持ち、次代に伝えていくことが求められています。
私達の住むまちが、いつまでも安心して安全に暮らせるまちである為に、地域の方々と力を合わせ、如何に上手くまちづくりに携わるか、JCメンバーが各所でパイプ役となる様に「繋ぐ」部分を担いたいと考えています。現在、町田にフットサルやサッカーチームがある事で全国的に名を知られる事が多くなってきました。この様に町田の地域ブランド力を上げる事がまちの活性化に繋がり、町田市民は自分の住むまちを誇りに思う事でしょう。
また、その為に我々は様々な所での学びが必要だと考えます。青年会議所は修練を信条の一つに掲げて運動をしております。これは自己の為のみの研修を行なうのではなく、その先にある、我々が理想とするまちづくりの為に研修を行なうのです。JCの中にも基礎的研修から実践的研修と多くのプログラムがありますが、社会生活の中でもいろいろな場面が研修の一環となります。研修を受け個人のスキルアップをし、まちづくりの為に家庭や会社、そして地域社会で学んだ事を活かせてこそ、自己開発から繋がる社会貢献になります。
本年より公益法人制度改革が始まります。我々は今までも高い公益性を持った社団法人として運動をしてきた経緯があります。一般社団法人となるか公益社団法人となるか5年間の選択期間がありますが、今後もより高い透明性、公益性を維持しながら、更に地域に必要とされる団体としての運動を行ない、いち早く公益社団法人の取得を目指します。
市民意識を変革させる事が出来るのはマスメディアだけではありません。情報社会となり新聞テレビはもとよりインターネットなど、様々なツールにて情報を得る事が出来るようになりました。ともすると情報過多となり、しっかりと自分の中で精査をしていかないと情報に踊らされてしまう事になりかねません。自分の中で本当に必要なものを、必要な時に得られてこそ、その情報に価値があるのです。物事を発信する場合についても同じ事で、相手にとって有益な情報でなければただの騒音、ゴミになってしまいます。情報とは「情けを報じる」と書くように心が通い合ってこそ通じるものだと信じております。それには公益法人としての運動発信についても、伝えられる側の心の琴線に触れるような想いで行なっていく必要があります。そんな中から市民意識の変革に結びつく運動の発信が出来ると考えています。
人は皆、様々な使命を持ってこの世に存在していると考えます。経済的、物質的には豊かなこの時代に生きている我々の使命とは何かを考えると、この平和な状況を続けるべく最善の努力をしていく事であります。その為には今、自分達の暮らしている国や地域の状況を踏まえ、他国との協調関係を大切にすべきです。同時に自分の国の歴史についてしっかり認識しておかなければなりません。自分が生まれ、生きている国の歴史を知らないという事は、自分自身が何者なのかを知らない事と同じです。地域社会で運動しているコア世代である我々青年が、日本人としての考え方をしっかりと自分自身の心の中に確立する事で、青年の力が発揮されるのです。
日本人としての誇りを胸に抱き、使命感を持って
時代に求められるJAYCEEとして、さあ行動しよう!